「映画は英会話教育の最高の教材」という共通の認識をもつ「映画英語教育学会」の世話人等による、映画を使った教育現場からの研究報告集。オーラルコミュニケーションをめざす英語教師必読の書。
内容紹介
文法偏重、読み書き重視、日本人の英語音痴と言われ続けましたが、1994年、日本の英語教育に、オーラルコミュニケーション授業が導入されるという新たな風が吹き始めました。そしてオーラルコミュニケーションの導入は「生きた英語」「使える英語」の重要性が増すという、日本の英語教育に良い方向性をもたらすと同時に、オーラルコミュニケーションに適した英語教材を要望する声も増加させています。そういった中で、これからの国際化社会で単に英語のみならず、コミュニケーションのあり方まで学ぶことの出来る可能性を持つ、最も注目されている英語教材の素材が映画です。
映画が英語教育に良いのではという考えは古くからあり、なかには独自のアイデアで映画を使った素晴らしい英語教材を作り上げている方もいましたが、その多くはその素材性のみにとどまった、完全とはいえない英語教材でした。しかし映画の持つ魅力に引かれる先生は多く、また映画の良さは分かるが果たしてどのように授業に取り込めば良いのかと考えている先生が数多くいることも事実です。
そんな先生方の関心のもと、弊社の呼び掛けにより1994年3月12日に東京にて「映画英語教育シンポジウム」を開催したところ、多数の先生方にご参加頂くことができました。そこで実際に映画を使用した授業の報告や、企業からのアプローチなどにより多くの先生方の賛同を得られ、またそれだけにとどまらず映画の良さを全国の方々にも理解して頂き利用して頂くために、熱意ある先生方が集まって「映画英語教育学会」を設立しようという動きになったのです。「映画英語教育学会」では授業で使えるような映画教材を研究・開発し、日本人の英語音痴といわれないような英語教育に換えていきたいと考えているのです。
この本は「映画英語教育学会設立」の橋渡しであり、印税相当分は全て「映画英語教育学会」の基金として寄付されます。そのことに同意されて執筆して頂いた、映画を英語授業に組み入れようと熱意ある先生方の英知を絞った共同著作であります。
今後の英語教育を変換していきたいと考え、一緒にその嵐を起こそうとしている方、オーラルコミュニケーションが導入されたが、どういった授業をすればいいのかとお困りの方にはぜひご一読頂きたいと思います。また映画をどのようにすれば英語を学べるのかと考えている生徒諸君もご一読頂ければ必ずや参考になることでしょう。
「はじめに」より
書籍情報
著者:スクリーンプレイ編集部
仕様:B6判 218ページ
定価:1,262円(本体価格)
発行日:1995年1月24日発行
出版社:株式会社 フォーイン
スクリーンプレイ事業部
ISBN 978-4-89407-111-7