この映画の英語について

オードリー・ヘプバーンの話す英語は正統的なヨーロッパ英語といえる。オードリーは父親がイギリス人、母親がベルギー生まれのオランダ人で、その上、小学 生のときにイギリスの寄宿舎で生活を送っていたから、オランダ語、フランス語、英語は自然に身についた。フランス語に近いラテン系のイタリア語やスペイン 語もそれほど努力しないで学ぶことができた。

　

本書のご利用にあたって

この本から聞こえてくる音声は全て、オードリー・ヘプバーンをはじめ、映画の登場人物の音声そのものです。これは、この映画が著作権保護期間が終了した、 いわゆるパブリック・ドメインの状態になった映画となっているから可能となりました。本文ページでは英文セリフにペン先をタッチするとそのセリフが音声再 生されますが、本文のチャプターの変わり目や目次にある円盤マークをタッチするとその章を連続的に音声再生することができます。

　

この映画について

ニュース映画がヨーロッパ諸国を親善旅行中のアン王女を映し出す。凜とした笑顔で沿道の人々に手を振る彼女だが、実は連日の過密スケジュールで疲れ切って いた。分刻みで場所を移しての記者会見やスピーチはもとより、本来ならば心ときめくはずの華やかなパーティーでさえ、ダンスの相手はお年寄りばかりなのだ から。

　

この映画のキャスト

主演のオードリー・ヘプバーンはベルギー生まれ｡４歳からバレエを習っていたが、当時の女性としては珍しい170センチの長身がバレリーナとして不向き だったため、方向転換をして女優となる。ハリウッドのデビュー作『ローマの休日』でいきなりアカデミー賞主演女優賞を獲得した後、数々の映画に出演する。 新聞記者のジョー・ブラッドレー役はグレゴリー・ペック。監督は1920年にドイツから渡米したウィリアム・ワイラー。

　

リスニング難易度表

大部分の会話は明瞭に話されている。映画の大半がアンとジョーの二人の会話で占められており、明瞭かつ正確な文法で話されている。イタリア人の英語を理解するのは難しいかもしれないが、見て楽しめるシーンである。